マンションのリフォームをするときには、戸建て住宅のような自由度が少なく、いろいろな制約や注意する点があります。
なかでもトイレは配管の配置などで特別注意しなければなりません。
この記事では、マンションのトイレをリフォームするときの費用や便器を交換するポイントについて紹介しています。
マンションのトイレをリフォームするときの注意点
便器の機能とリフォームする範囲
トイレをリフォームするときには、新しい便器の機能とリフォームする範囲によって価格が違ってきます。
リフォームする範囲はトイレの便器だけを交換するパターンと、便器に加えてクロスと床を張り替えるリフォーム、また便器や床やクロスだけでなく手洗いや収納スペースもすべて新しくするリフォームがあります。
便器の相場は20万円から30万円が一般的です。値段の高い便器になると、自動清掃や瞬間暖房の便座など、最新の機能が付いており、最新型の便器であれば中級のグレードでも普段使いでは十分です。
予算と相談しながらカタログの一覧を見て、時間を掛けて検討することをおすすめします。
排水の設置に注意
マンションのトイレをリフォームするときには、排水の設置に注意しなければなりません。
戸建て住宅と違って、マンションは建物によって排水方式が異なります。
便器の排水方法には床と壁の二つの方式があります。
大部分は床排水ですが、なかには壁排水の物件もあります。
もし便器と壁との間に太い排管があるときには壁排水の便器です。
マンションで便器を交換するときには、現在使用している排水と同じタイプの商品を選ばなければなりません。
これまでのマンションは、給水の圧力が低いためタンクレスタイプの便器を設置できない場所がほとんどでしたが、近年では加圧装置を取る付けることで水圧を補えるようになり、マンションでもタンクレストイレを取り付けられるようになりました。
マンションにタンクレスのトイレを取り付けたいときには、低水圧でも取り付け可能なタイプの商品を選ぶようにしましょう。
マンションのトイレ
戸建て住宅の二階にトイレを増設する感覚で、マンションでもトイレを新しく取り付けたいと思う方もおられます。
一般的にはマンションの排水構造でトイレを増設出来ないことが多いですが、増設を希望するときには、まずマンションの管理組合に相談して、管理規約をチェックしましょう。
それからリフォーム会社に連絡して自室の水の排水方法をチェックして、取り付けが可能かどうかを判断します。
増設が可能だとしても、工事が大掛かりになると費用も増えるので注意が必要です。
トイレのリフォームをするときのポイント
トイレを新しくする時には、交換する便器に思いが集中してしまいがちですが、失敗しないために便器のほかにも確認すべきポイントがあります。
トイレの床
トイレの床にはクッションフロアが向いています。
水やアンモニア成分、洗剤に強いので、手入れがしやすく掃除をするときにも気を使う必要がありません。
一方でフローリングはトイレに合いません。
水やアンモニアはフローリングの表面を変色させてしまうので、クッションフロアに張り替えることをおすすめします。
また、クッションフロアは便器に重なるように貼るため、便器を外して張り替えるとキレイに仕上がります。
便器が新しくなったあとでクッションフロアだけを張り替えるときには、切り込みを入れなければならず、つなぎ目がキレイに見えません。
また切り目から水が染み込む可能性もあるため、便器を外した状態で床を張り替えることをおすすめします。
トイレの広さと便器のバランス
住宅展示場に行くと、座りやすい大きな便器が取り付けてありますが、自宅の便器を決める前にトイレの広さと便器のバランスにも注意する必要があります。
例えば床をクリーニングするときに、便器のうしろまで手が入るかは大切なポイントです。
また男性と女性では使いやすいと思うポイントが異なり、便器の前に立てる余裕が男性にとっては重要になります。
そのため便座の先から壁まで50cm以上は離れている必要があり、窮屈な印象を与えないように注意しなければなりません。
電源コンセント
中古のマンションをリフォームするときの注意として、古いトイレには電源コンセントがない場所もあります。
そのため最新のトイレを取り付けるときには、別途で電源を取り付ける工事も必要になり、その分の費用もかかります。
またトイレットペーパーやタオルの場所が変わると変な気分になります。
リフォームしたあとに位置を変えると、壁に跡が残ってしまうので注意が必要です。
収納スペース
トイレの中は、掃除の道具やトイレットペーパーのストックなどを積んで置けるスペースも確保しなければなりません。
トイレの床にそのまま置くと汚れが付きやすくなり、掃除のときに移動させる手間も増えるので、理想の方法ではありません。
そのため、便器の上に吊戸棚を設けるなどして収納スペースには十分注意しましょう。
吊戸棚は扉の開き方やトイレの中で利用者の位置なども考慮して、狭いスペースの中でも体が便器とぶつからないように配置を調整しましょう。
トイレのリフォームにかかる時間の目安について
トイレの交換をするだけであれば長い日数はかかりません。
トイレのタイプや排水の方法によって違いますが、古い便器を取り外し新しい便器を取り付けるのに、数時間あれば余裕で作業が終わります。
トイレの広さによっても変わりますが、クロスやクッションフロアの張り替えを一緒に行うリフォームでも、1日あれば作業が完了します。
しかし吊戸棚を新しく取り付けたり、手洗い場を別に設けるなどの工事になると期間が延びる可能性があります。
また壁の下側にタイルを貼るなど手の凝ったリフォームをすると、さらに数日かかるケースもあるので、リフォーム業者にいつ終わるのかを確認しておいた方が良いでしょう。
トイレはリビングや寝室と比べるとスペースが小さいので、リフォームの費用を抑えられ、工事の期間も短くて済みます。
そのため、リフォームを始めるには手ごろな場所なので、これから少しずつリフォームをしようと考えている人にピッタリです。