屋根をリフォームする時に参考に出来る屋根材の種類とそれぞれのポイントについて

屋根が傷んできたので葺き替えリフォームを検討している人は、自分の家に適した屋根材を考えなければなりません。
屋根材といっても、素材や工法によって様々な種類があり、機能や見た目も多種多様です。

この記事では、和瓦やスレート材、ガルバリウム鋼板など屋根材の種類と選び方、それぞれのメリットについて紹介しています。

どんな屋根材にするかを決めるポイント

一部の人は屋根に強いこだわりがあり、質の高い屋根材を使いたいと思われるようですが、ほとんどの人にとっての関心は屋根材の価格です。

特に大がかりなリフォームを考える際には、前もってリフォーム工事にかかる費用を決めている人が多いです。
でも住む地域の特性や気候、屋根の状態によって選択する屋根材の種類が変わってきます。

価格は、最重要ではなく費用の目安として一つの基準にすると良いでしょう。
価格をなるべく安く抑えたいなら、トタンやアスファルトシングルを使うと良いでしょう。

なお初期投資はかかっても、ランニングコストを抑えたい時は、スレートやガルバリウム鋼板などを使うことが出来ます。

屋根材を選ぶ時に耐用年数も重要なポイントになります。
銅板や瓦などは寿命が長いので、一度施工したらしばらくは使えます。

屋根をリフォームする前に、この家にあと何年住む予定かを考えながら、使用する屋根材を決めると費用を節約できます。

もし10年後には誰も住む予定がない家であれば、耐用年数が50年の瓦を施工しても費用がもったいないですが、これから50年以上、子供や孫もこの家に住む予定であれば、耐久性が無い屋根材ではメンテナンスや葺き替えをする度に余計な費用がかかってしまいます。

もし、これから何年住むか分からない場合や耐用年数にこだわらないという人は、初期費用がかからずに、耐用年数が20年から30年のスレート材を選ぶと良いでしょう。

どんな屋根材を選んでも数年後にはメンテナンスをする必要が生じ、メンテナンスまでの期間が短いほど、その屋根材は劣化しやすいです。

スレートやトタンなどは他の屋根材よりもメンテナンスまでの時間が長くなります。
そしてメンテナンスが全く要らない屋根材はありません。

寿命が50年以上の瓦や銅板でも、屋根の下にある防水シートの交換をするなど何かしらのメンテナンスはしなければなりません。
屋根のメンテナンスは通常10年程度に一回を基準にして、塗装業者に点検を依頼して補修やリフォームを行うと良いでしょう。

屋根を選ぶ時には耐火性の高さも考えなければなりません。
屋根も外壁と一緒で火事から家を守るのに重要ですが、最近ではほとんどの屋根材が燃えにくい素材で作られています。

もしどうしても火事が気になる時には、耐火性の優れている瓦を使用することをおすすめします。
また雨風の被害を受けにくい耐久性の高い素材は、屋根を選ぶのに大切な要素です。

近年では大きな地震により被害が出ている地域があるので、屋根の耐震性も考えなければならないポイントです。
屋根材を製造しているメーカーでは、日々研究や実験を重ねて、より耐久性や耐震性のある商品を開発し、施工方法の改善もしています。

気になる人は高耐久や高耐震を売りにした屋根材を選ぶと安心です。
なお耐久性が高い素材は、ガルバリウム鋼板です。金属で出来ているので耐久性が高く、腐食しにくい特徴があります。

既存の建物に合った屋根材を決める時には、デザイン性も考慮すべきポイントです。
商品によっては色が豊富な物もあり、家の雰囲気や味わいによって選べる屋根材が変わります。

もし瓦やアスファルトシングルを選ぶと、デザイン性が豊かです。
でもアスファルトシングルは、日本ではあまりメジャーではなく、対応できる業者も限られているので簡単ではありません。

屋根材の種類とメリットやデメリットについて

ストレート材は、繊維とセメントを板状にして作る屋根材で化粧スレートとも呼ばれます。
スレート材を使用するメリットは、比較的単調なデザインなので、どんな住宅のデザインにも馴染みます。

また工事の費用も安定しており、選びやすい屋根材です。
そして断熱性能にも優れていて、屋根裏の温度が上昇するのを防ぐ効果があります。

また軽量な素材なので、屋根への負担を減らし、地震が起きた際に建物の揺れ幅を小さくする効果があります。

一方でスレート材の耐久性を保つために、表面の定期的な塗装を約10年程度に一回行うのがデメリットです。

なお塗装が必要なだけではなく、素材にヒビや割れやコケが生えることもあるので、症状が深刻になる前に5年程度に一度は点検をすると良いでしょう。

ガルバリウム鋼板は、アルミと亜鉛の合金でメッキ加工した金属の屋根材です。

ガルバリウム鋼板を選ぶメリットは、ガルバリウム鋼板は屋根材の中でも重量が軽く施工しやいので、建物の基礎や壁に大きな負担がかかりません。

屋根が軽くなるので住宅の耐震性を向上させることが可能になります。
幾つもの色やデザインが出回っており、施工した後は独自の光沢を放ち外観がみちがえります。

金属のガルバリウム鋼板のデメリットは、表面に傷が出来ると錆付きやすく、海辺の地域では使用できる年数が10年ほど短くなってしまいます。

また金属で出来ているので熱を伝えやすく、屋根裏の天井や屋根材の裏側などの断熱工事をしないと部屋の中まで熱が伝わって来ます
さらに金属の屋根は他の屋根材と比べると、雨が降った時の音が響きやすいという問題もあります。

瓦は粘土や土を高温で焼いて作ります。
和瓦は重みのある和風の外観に仕上げたい時にはこれ以上ない屋根材です。

和瓦のメリットは、表面の塗装が要らないことです。
一般的な屋根材だと、10年に一回は塗装をしなくてはなりませんが、和瓦ではメンテナンスの必要がないので、約60万円程度から約100万円程度の塗装費用を節約できます。

また耐久性も高く、スレート材やガルバリウム鋼板の耐用年数は約30年程度から約50年程度でも、和瓦は約50年程度から約90年程度です。

さらに断熱性が高く通気性も良く、防水性にも優れているので日本の気候に合った素材です。

しかし和瓦は非常に重い屋根材なので、地震の時に建物が揺れやすくなり、壁や基礎に負担を加え、家の耐久性が低下するというデメリットもあります。