増築リフォームにかかる費用の目安と依頼するときのポイント

住宅の増築リフォームを考えている人のなかには、どのような工事をするのか、かかる費用はどれくらいか不安に思う人も多いことでしょう。

増築リフォームをすれば、生活のスペースが増えるというメリットもありますが、家の外観に統一感がなくなるなどのデメリットも存在します。

この記事では、増築リフォームでかかる費用や依頼するときのポイントなど、これから増築リフォームを考えている人にとって大切な情報を紹介します。

 

リフォームでも増築と改築は異なる

法律において改築とは「建物の一部や住宅を丸ごと取り壊すこと」と「災害によって壊れた場所に同じものを建てること」を意味します。間取りを変更する作業は改築に含まれます。なお改築工事の内容によっては、届け出が必要なこともあります。

一方増築では、改築と違い床面積が増えます。通常の増築工事では部屋を増やしたり、離れを建てたり、床面積を広げたりするリフォームを行います。

増築リフォームをする際には、耐震基準や、建築基準法、自治体の条例などを調べて法的に問題がないことを調べてから作業を始めます。

増築リフォームを考えるときには、住宅の造りも考えておく必要があります。伝統的な日本家屋の造りでは、梁や柱を設けることで建物を支えています。

そのため、壁を壊しても耐震性に影響が出ません。伝統的な方法で作られた住宅は、増築に向いている構造といえます。

しかし、最近流行しているツーバイフォー工法は、壁によって建物を支えていて、壁をなくす増築には向いていないので注意が必要です。

 

増築リフォームのメリットについて

生活スペースが増える

増築する大きなメリットは、生活スペースが増えることです。

床面積を増やす工事をするため、間取りを変える工事よりも広い空間を準備でき、子ども部屋やテレワーク用の仕事部屋など、新しい空間を作りたい人にはおすすめです。

 

住宅の新築や建て替えよりもリフォーム金額が安い

増築リフォームでは、新築や建て替え工事に比べてリフォームの金額を抑えられます。例えば、約60坪の住宅を新築で建てる場合や建て替えを行うときには、約2500万円から3000万円程度が必要です。

しかし、6畳1部屋を増築する工事であれば、約250万円から350万円程度で施工できます。費用を抑えて生活スペースを確保したいと考えている人は、増築を選択したほうが良いでしょう。

 

暮らしながら工事ができる

増築リフォームの場合は、現在の建物をそのままにして、生活スペースを広げるので、家で暮らしながら工事ができます。リフォームのために一時的な住宅を準備しなくても良いので、仮住まいにかかる料金が必要ありません。

 

増築リフォームのデメリットについて

外観に統一感が出なくなる

増築リフォームをするときは、増築をする前の家と同じ外壁材や屋根材が見つからずに、家の見た目に統一感がなくなる可能性もあります。

1部屋だけ増築する工事でも、母屋と増築した部屋の外壁や屋根の色に違いができると、増築したことが見て取れる仕上がりになってしまいます。

 

現在の部屋との接続部分が弱くなる

増築リフォームをしたときには、現在の部屋との接続部分の耐震性が弱くなってしまう可能性もあります。

もちろん、リフォーム会社が施工するときには、新しく取り付ける外壁や部屋を固定する作業を行いますが、地震や台風などで強い圧力がかかると、接続部分にひび割れが入る可能性もあります。

また、台風などの災害によって、外壁のコーキング材が剥がれると、雨漏りする可能性もあります。

そのため、補強に関わらず、災害が起きると接続部分の耐震性が下がる可能性があることを意識して、増築リフォームを考えましょう。

 

水回りの増築でかかる費用の目安

キッチンなどの水回りを増築するときには、内装工事や電気工事に加えて配管工事も行います。また、取り付ける便器や浴槽、キッチン台などの設備の等級や間取り、デザインによっても価格が変わります。

トイレを増築するときの金額の目安は、約50万円から200万円程度です。

また、浴室を増築するときには、約75万円から250万円程度の費用がかかります。キッチンを増築するときには、約90万円から400万円程度が目安になります。

 

ワンフロアを増築するときの金額の目安

住宅のフロアに部屋を付け加える、敷地内に離れや小屋をつくるといった増築でかかる費用の目安は、1畳あたり約25万円から65万円程度です。

しかし、建築で用いる材料や内装の度合い、収納スペースの大きさなどにより、金額が変わります。

また現在の建物が木造住宅のケースや施工面積が広いケースなどでは、1畳あたりの金額が安くなります。床面積が広くなるほど、固定資産税も増えることを覚えておきましょう。

 

1部屋を増築するときの金額の目安

子ども部屋やリビングなど、部屋を新しく付け加えるときの費用は、1畳あたり約33万円から39万円程度が目安になります。

もし鉄筋コンクリートを使用して部屋を増築するときには、やや高くなり1畳あたり、約50万円から55万円程度を準備しなければなりません。増築でかかる金額は、木造か木造以外の住宅かで変わります。

一例として木造8畳の部屋を増やすときの金額は、約260万円から300万円程度ですが、鉄筋コンクリートを使用する場合には、約400万円から450万円程度が相場になります。

 

増築リフォームをするときのポイント

増築リフォームを成功させるためには、いくつもの制約があるので入念なチェックが大切です。まず増築リフォームを考えている段階で、希望通りの増築ができるかどうかを見極めましょう。

住宅の建ぺい率や容積率の状況で、増築ができないケースもあります。

建ぺい率とは、敷地の面積に対して住宅の面積がどれくらいかを表す割合のことです。また、容積率とは、敷地の面積に対して住宅の床面積がどれくらいかを表す割合です。

さらに、増築リフォームをするときには、確認申請を行う必要があります。確認申請とは、行政に対して増築の許可を得るための申請です。

なお確認申請の書類をつくるときには、自分ではよくわからない場合もあるので、専門的な知識を持つ建築士に依頼すると良いでしょう。