新築で建てた家も数年経つにつれて、家族の年齢が上がり、生活スタイルも変化します。既存の設備では使いにくく感じて、設備に経年劣化が生じるようにもなります。

水回りのリフォームを考えている人のなかには、水回りのリフォームは1箇所だけではなくまとめて行うと良いという話を聞いたことがある人もいるでしょう。

この記事では、水回りのリフォームで行う工事の内容や、まとめてリフォームするメリットとデメリットについて紹介します。

 

一般的に水回りとはどのような場所か

水回りとは、水を使う場所のことで、家の中ではキッチンや浴室、洗面所、トイレが水回りに含まれます。

いつもきれいに保つべき場所でありながらも、どこも1日に数回は使用するので、劣化や老朽化が早まる場所といえます。

 

キッチンのリフォームについて

キッチンは水を使うだけではなく、料理を作る場所なので、いつもきれいにしておきたいと思う人が多い場所です。

キッチンのリフォームを考えるのは、設備が老朽化して壊れたときだけではなく、性能の良いキッチンで料理を作りたいなどの目的がある場合もあります。

家族の年齢や生活スタイルの変化によって、今までのキッチンでは不便に感じるなど、時間が経つことで変化が生じることがあります。

キッチンのリフォームでは、コンロや調理スペース、流し台がセットになっているシステムキッチンを取り付けることが多いですが、一つひとつの部分を新しいものと取り換えることも可能です。

各メーカーで多くの商品が開発されているので、実際に目で見て触ってから選ぶと良いでしょう。

 

風呂場のリフォームについて

風呂は長い間使い続けると汚れが溜まり、水漏れが生じてしまいます。1日溜まった垢を落とす場所なので、快適に使用するために、リフォームを考える人もいます。

風呂のリフォームでは、ユニットバスを導入する方法と在来の風呂に仕上げる方法の2種類があります。

ユニットバスは工場で作られた部品を現場で組み立てて取り付けるので、施工にかかる時間が短く、水漏れの心配がないのがメリットです。

しかし、従来の浴室スペースと大きさが合わない可能性もあります。一方で在来の風呂は自由度が高く、タイル張りやヒノキ風呂など、取り付けるパーツを自分で選べますが、値段が高くなるという問題もあります。

それぞれのメリットとデメリットを考えて、最も合った工法を選ぶと良いでしょう。

 

洗面所やトイレのリフォームについて

洗面所を新しくするときには、通常は洗面台も交換します。そのほかにも床や壁、収納スペースも合わせてリフォームする人が多いようです。

洗面台については、各メーカーで多くの商品が開発されていますが、それぞれの特徴が異なるので、洗面所の大きさに合うサイズのなかから気に入った洗面台を見つけるようにしましょう。

トイレの便器は陶器で作られているので壊れにくいですが、ひび割れてしまったり、陶器ではなくプラスチックでつくられた箇所が壊れたりする可能性もあります。

また節水を考えて最新のトイレに取り換えて、リフォームする家庭もあります。

取り付けるトイレのタイプには、タンクと一体になったものや分かれたタイプ、タンクがないタイプなどの種類があり、手洗い用のノズルがあるかないか、床や壁に使用する材料など、リフォームで考える要素が多いという特徴があります。

 

水回りをまとめてリフォームするメリットとデメリット

水回りをまとめてリフォームすれば、別々にリフォームするよりも安く済むことが多いですが、注意点もあります。

 

水回りをまとめてリフォームするメリット

水回りをまとめてリフォームすると、工事にかかる値段が安くなります。複数の場所を同時に新しくするので、搬入や養生などの作業や、配管や電気をまとめる作業を一度に行えます。

また人気のある設備や製品を一度に仕入れて販売するので、安くできるという理由もあります。

さらに、同じメーカーの製品を使用することが多く、設備が全体的にまとまります。

別々にリフォームすると、まとまりがないイメージを持つことも多いですが、数箇所の水回りをまとめて新しくすれば、水回りのデザインに統一感が出ます。

 

水回りをまとめてリフォームするデメリット

水回りをまとめて新しくするときには、設備の選択肢に限りがあるので、自由度が下がるというデメリットもあります。

そのため、設備に合わせて自分の好きな商品に取り換えたい人にはおすすめできません。

また、工事の内容も設備を新しくすることが多く、ほかにも補修が必要な場所がある場合では金額が上がることもあります。

内装や補修でかかる費用や、オプションの費用については、見積書をチェックして比較すると良いでしょう。

 

水回りのリフォームの値段を安くするには

できるだけ安く水回りのリフォームを済ませたい人のために、値段を安くする方法を紹介します。どうしてもこの等級が良いというこだわりがないのであれば、設備の等級を下げることもおすすめです。

高品質と標準品質の設備では、金額が数十万円も変わる場合もあります。

設備の等級は値段を安くする点で非常に大切なポイントです。少しでも値段を安くしたいと考えているなら、機能性やデザイン性などの基準を下げてみるのも良いでしょう。

 

水回りをまとめてリフォームするときに注意すること

水回りをまとめてリフォームするときには、注意するポイントもあります。たとえば、関係のない水回りの場所をまとめて新しくしても、値段が安くなるとはいえません。

リフォーム業者には得意分野があるので、水回りは得意でも内装は専門外、部屋のリフォームは得意だけれど水回りは専門外といった違いがあります。

リフォームするときには、業者が得意な箇所だけをまとめて新しくするのが良い方法でしょう。

リフォームをするときには、工事の金額のほかにも出費がある可能性もあります。数箇所まとめてリフォームするときには、長い時間浴室やトイレが使用できないこともあります。

たとえば、キッチンのみが使えない場合には、外食や出前でしのぐことは可能ですが、浴室やトイレが使えないと不便です。

もしすべての水回りが使用できないと、そのまま暮らすのは困難なので、仮住まいの準備もしなければなりません。引っ越しの金額も関係してくるので、リフォームする前に確認しておきましょう。